アジロ アツシ
  網代 敦   文学部 英米文学科   教授
■ 標題
  「フィロロジストJ.M.Kemble(1)」
■ 概要
  アングロサクソンの言語・文化を研究したイギリスのフィロロジスト、J.M.Kemble(1807-57)の業績を再評価したもの。本論文(1) では、彼の経歴を追ったあとで、特にJacob Grimm(1785-1863)との出会いにより、本格的ドイツフィロロジーの成果が彼によってイングランドにもたらされた影響を見ることに努めた。19世紀初頭のオックスフォードに於けるOE研究は、フィロロジカルな意味から言って少しも満足の行くものではなかった。それは、アングロサクソン文献としての写本の読みが不正確であること、当時はまだ整ったOEの文法書が完備していなかったこと、さらにOEの辞書の記述の不備・欠陥が見られたことによる。Kembleが持ち込んだドイツのフィロロジー(言うなれば、“The New Philology” )がこのような欠点を是正して行く過程を明らかにした。
  単著   ASTERISK:A Quarterly Journal of Historical English Studies (イギリス国学協会編)   vol.VII(No.2),111-122頁   1998/06


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