ナカザワ ノリコ
  中澤 紀子   文学部 英米文学科   教授
■ 標題
  「ビアトリクス・ポターとナーサリー・ライム―テキストの挿入と削除から見えてくるもの」
■ 概要
  『ピーターラビットのおはなし』で知られるビアトリクス・ポターは、英語圏に伝承されているナーサリー・ライムの愛好家でもあり、彼女の作品中には、多くのナーサリー・ライムが含まれている。そこで、ポターが作品中に織り込んだナーサリー・ライムの中から、古くから伝承されてきたものとポターが創作を加えたものをいくつか取りあげ、その典拠と見られるJ.O.HalliwellのThe Nursery Rhymes of England (1842)他、当時流布していた版との実証的な比較研究を行なった。その結果、伝統的ナーサリー・ライムのテキストへの挿入や改変、削除からは、ポターのナーサリー・ライムにかかわる手法や創作態度が見えてくることがわかった。そして、ポターの<絵>と<語り>の世界の基底にある、伝承の<うた>の世界を考察することは、ポターの創作姿勢や創作環境の深層を探る重要な手がかりになることを論じた。総頁数232頁中33頁。
  単著   『英米文学論叢』第35号―ビアトリクス・ポター特集(pp.19-51)      2004/03


Copyright(C) 2011 Daito Bunka University, All rights reserved.