サワダ マサヒロ
  澤田 雅弘   文学部 書道学科   教授
■ 標題
  柳公権「金剛般若波羅蜜経」の鐫刻実態について
■ 概要
  唐の名家柳公権47歳の揮毫に係る石刻「金剛般若波羅蜜経」(824)は、明初にすでにその半ばを欠き、その後原石は亡逸し、現在は孤本の唐拓が伝わるだけである。唐拓本によれば、12個の横石全468行5106字からなる。本稿では、当該石刻に7種(あるいはそれ以上)の書風が混在すること、当該石刻の刻者が「強演・邵建和刻」と刻される2名だけでないことを、それぞれ明らかにし、強・邵2名は当該石刻の鐫刻に関わった刻者たちを代表する立場にあると考えるのが自然であることを論じた。この実態は刻者を明記する石刻の鐫刻実態を解明するうえで、重要な事例の一つとみなしうる。なお、本稿は平成30年度科学研究費助成・基盤研究(C)「北朝隋唐碑における鐫刻実態に関する基礎的研究」課題番号:17K02323の研究成果の一部である。
  澤田雅弘
  単著   大東書道研究(大東文化大学書道研究所)   大東文化大学書道研究所   26,38-56頁   2019/03


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