スズキ ヒロノリ
  鈴木 敬了   外国語学部 英語学科   教授
■ 標題
  “Word Order Variation and Determinants in Old English”(博士論文)平成17年度科学研究費補助金基盤研究(C)課題番号7520339
■ 概要
  英語史の定説では古英語から現代英語にかけて語順の変化(SOVからSVO)の要因は格語尾の消失であるとされている。本研究では定説の検証を行い、格の水平化の状況は古英語初期から見られること、主格、目的格の区別がない節においても語順の多様性が見られ、その現象は中英語期まで続いたことを明らかにした。古英語における語順の多様性を生み出す要因解明に関して散文を対象に目的語の情報構造、要素の長さ等が要因であるかどうかの可能性を探った。その結果要素の長さが要因の一つであることが判明した。さらにジャンルの異なる韻文における語順決定要因に関しても調査した。韻文においては語順の決定が容易な助動詞の語順に注目し、「散文における語順決定要因が働くのか、働かないとすればどのような要因があるのか」について調査した。その結果、散文で見られる要因は働かず、詩の特徴である頭韻の型が要因となっていることが判明した。本研究の意義は、特に詩に関する語順決定要因の解明であり、今後さらにジャンルの違いと基底語順の関係の解明につながるものと思われる。
  単著   東北大学大学院情報科学研究科      2006/03


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