タカサワ シュウイチ
  髙沢 修一   経営学部 経営学科   教授
■ 標題
  租税競争が生み出す事業承継における問題点の検討 ~国外金融資産の実態把握と資産評価を中心として~
■ 概要
  日本の法人は、法人税率の低いTax Heaven を活用することにより法人税額の租税回避行為を図っている。従来、租税競争は、Tax Heavenに進出した法人が、海外で獲得した利益を日本国内に還流させないために生じる法人税法上の問題点として指摘されていたが、新たな租税競争として相続税法上の問題点が登場した。つまり、資産家のなかには、事業承継対策の一環として資産の海外移転を図る者や海外移住を検討する者が増えてきているのである。また、日本は、「居住者」に対する全世界所得課税を実施するため、「居住者」が海外に保有する資産についての実態把握が求められるが、現状では、課税当局が海外資産、特に海外金融資産の実態を完全に把握しているとは言い難い。よって、本報告においては、租税競争が生起する事業承継問題について、国外金融資産の資産評価と実態把握を中心として考察を試みたのである。
  単著   會計   182(5),84-96頁   2012/11


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