タカサワ シュウイチ
  髙沢 修一   経営学部 経営学科   教授
■ 標題
  事業承継における土地を巡る税務上の課題
■ 概要
  事業承継税制は、非上場の中小企業経営者の円滑な事業承継を目的として、取引相場のない株式等に係る特例及び小規模宅地等の相続税の課税の特例を両輪とする。税制改正では、取引相場のない株式等に係る特例及び小規模宅地等の相続税の課税の特例が度々取り上げられてきたが、最近でも、平成15(2003)年度税制改正及び平成22年(2010)度税制改正で、小規模宅地等の相続税の課税の特例が取り上げられている。この事業承継税制が、非上場の中小企業経営者の事業承継に果たした役割の大きさについて異議を唱えるものは少ない。しかしながら、事業承継税制の範疇には、世襲制の傾向が強い経営領域であるのにもかかわらず農家及び宗教の経営領域が含まれていない。そのため、本論文では、まず、事業承継税制の中核を形成する小規模宅地等の相続税の課税の特例を巡る税務上の改正点及び問題点について検討し、次いで、現行の事業承継税制を補完することを目的として、農業相続人が農地等を相続した場合の納税猶予の特例及び宗教法人の所有する保有地に対する固定資産税非課税措置等の農家及び宗教の事業承継者の土地を巡る税務上の課題を研究対象として取り上げ、農家及び宗教の経営領域の事業承継を含めた新しい事業承継税制を再構築することを提案したのである。
  単著   経営論集   大東文化大学経営学会   (第23),23-39頁   2012/03


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