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フクシマ ヒトシ 福島 斉 スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科 教授 |
■ 標題 大学生における骨量と運動との関係 |
■ 概要 【目的】大学生の骨密度と中学高校時代の運動歴、運動種目、現在の運動習慣との関係を検討することである。 【方法】大学生(年齢20~23歳)、1795名(男性1209名、女性586名)を対象とし、超音波骨密度測定器(BenusⅢ)にて踵骨骨密度を測定した。骨密度評価値としては骨梁面積率を用いた。同時にアンケートにて「中学、高校時代の運動歴」と「中学、高校時代に継続していた同一競技種目」および「現在の運動習慣」を調査し骨梁面積率との関連を調べた。 【結果】中学、高校時代の運動歴では男女ともに、「なし」と「中高両方」の間、および「中学のみ」と「中高両方」の間で有意差を認めた。競技種目別では男性では、「なし」と「野球」、「サッカー」、「バスケットボール」、「陸上短距離」、「ラグビー」の間で有意差を認めたが、女性では認めなかった。現在の運動習慣と骨梁面積率の関係では、男性では「なし」と「週1~2日」以上の間で、女性では「なし」と「週5日以上」で有意差を認めた。 【考察】成長期の運動が骨量増加に重要であることは諸家の報告と同様であったが、男性の方が運動の効果が骨量増加に反映されやすく、競技種目の特性も表れやすかった。女性ではダイエットを含む食習慣や月経異常などのような運動習慣以外の要素も少なくないと考えられた。 【結論】大学生に関する骨密度の研究では女性を対象としたものが多いが、運動が骨量増加に与える影響には男女間で差があると考えられた。また、運動習慣がない者が男性で48%、女性では72%もいたことは深刻な問題である。 単著 日本臨床スポーツ医学会誌 同学会発行 19(2),244-249頁 2011/04 |
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