カワチ トシハル
  河内 利治   文学部 書道学科   教授
■ 標題
  劉煕載の書品論-【力】【気】字術語を中心に-
■ 概要
  「劉熙載の書品論-【骨】字術語を中心に-」の続稿である。〈力〉字術語では、〈力〉と〈韻〉〈気〉、〈筆力〉などが、〈気〉字術語では、〈丈夫気〉、〈諧気〉、〈逸気〉、〈陰陽二気〉、〈士気〉と「十二気」、〈熟気〉、〈生気〉、〈気質〉、〈気体〉、〈気格〉と〈力量〉などが重要な書法審美範疇語であることが判明した。品第と風格については、「書は其の人の如し」を主張して「巧拙論」「生熟論」「文質論」を展開し、〈蒼〉〈雄〉〈秀〉の美を評価して〈深〉を加えることを主張する。また人格化の比喩を借りて品評し、さらに書家の風格の顕著な部分を通じて潜在する内含を探求し、「拙中之趣」「放中之矩」を発見しようとする。劉熙載は〈中和〉が最高の美学境地であり、王羲之の書こそが〈中和〉美の典範と考える。以上の典を伝統的書法観をふまえながら劉熙載の書品論としてまとめた。
  単著   大東文化大学紀要(人文科学)39   P.83-P.104頁   2001/03


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