カワチ トシハル
  河内 利治   文学部 書道学科   教授
■ 標題
  黄道周と蔡玉卿-蔡玉卿詩書画考
■ 概要
  蔡玉卿の詩、書、画のうち、詩と画は充分な考察を行えていないが、「詩を能くし」、「尤も絵事に精し」いその一斑を垣間見ることができ、ともに黄道周の善き理解者であったと言え、特に書においては、「造次に辨ずる能はず」と評されるほど、最も黄道周の書法を具現していると言えよう。蔡玉卿の書が黄道周に酷似する理由は、忠孝思想を本分とする倫理規範、家庭環境の同一化による書写態度の結果であると言える。《孝経》の「臨本」が多いのは、黄道周の書法を手本として書法を身につけるとともに、書跡を通じて倫理規範を自己のものとすることが書写態度の根底にあり、必ずしも自己の表出など意識に無かったと思われる。(レフェリー有り)
  単著   「書学書道史研究」11 書学書道史学会編P.3-P.22      2001/09


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