カワチ トシハル
  河内 利治   文学部 書道学科   教授
■ 標題
  劉煕載の書品論-【骨】字術語を中心に-
■ 概要
  劉煕載の最も傑出した成果は、文学芸術に対する批評理論であり、その撰『芸概』および『芸概』の補足とみなしうる『游芸約言』は、中国美学史と文芸批評史上の重要な地位を有している。特に『芸概』の中の『書概』は、先人がすでに述べた書法に関する見解を詳述し、さらに未検討の書法理論を展開しており、系統的に研究し整理する必要がある。筆者はこれまで、書法批評語として重要なターム〈骨〉字術語に着目し、南朝から唐代にかけてと、康有為撰『広芸舟双楫』の用例とを検討した。本稿では、その方法論を『書概』と『游芸約言』に適用し、同様に術語用例に検討を加え、あわせて劉煕載の書品論について考察を行った。その結果、〈骨〉字術語では〈骨〉と〈韻〉〈筋〉〈神〉、〈勁骨〉、〈骨気〉、〈骨力〉と〈形勢〉、〈骨錬〉と〈神超〉、〈骨裏〉と〈謹厳〉などが、〈筋〉字術語では〈筋節〉、〈筋骨〉、〈多骨豊筋〉と〈顔筋柳骨〉、〈筋〉と〈肉〉などが重要な書法審美範疇語であることが判明した。〈レフェリー有り〉
  単著   『第4回国際書学研究大会記念論文集』書学書道史学会編P.78-P.88      2000/09


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