カワチ トシハル
  河内 利治   文学部 書道学科   教授
■ 標題
  黄道周獄中手書《孝経》考
■ 概要
  黄道周が《孝経》を手書した理由は、父子・君臣の忠孝の倫理を天下に明らかにし、自身が党派を組んで政治を乱す意思などないことを崇禎帝に訴える手段であったと考えられる。崇禎十四年、獄中において百二十本も《孝経》を書写したのは、自身の身の潔白を訴える唯一かつ最善の方法であったと同時に、『孝経集伝』の執筆がその背後にあったと推定する。その理由は、単に通行本《孝経》の書写に止まらず、自定本である《孝経定本》を書写しているからである。「第十七本」及び「第三十四本」というのは、書写回数を表すものであると同時に、自定本のナンバリングである。(レフェリー有り)
  単著   「中国文化」59 中国文化学会編P.25-P.36      2001/06


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