カワチ トシハル
  河内 利治   文学部 書道学科   教授
■ 標題
  蔡玉卿の生涯-『文明夫人行状』考
■ 概要
  蔡玉卿はその生涯を通観すると、「忠孝」、「明智」の人であったと言える。蔡玉卿の名声は、夫黄道周とあいまって表彰されるが、それは単に黄道周の継室であるからという点だけではない。蔡烈、蔡乾釜といった忠孝を本分とする家庭環境に育ち、夫黄道周の忠孝思想に傾倒し、明朝崩壊という時代の中で、時勢と鋭く見抜き、政権の交替を的確に見抜いている。黄道周の歿後は、南明朝「遺民」として生きることを決意し、世俗と遮断して山に隠棲し、夫黄道周の生き方を敬慕し、家族を守るという身の処し方を選んだ。頑なまでに自己の生き方を貫いた類い稀な貞淑な女性、「烈女」として史上に名を留めている。以上を『文明夫人行状』を中心に論述した。
  単著   大東文化大学紀要(人文科学)40 大東文化大学編   P.79-P.101頁   2002/03


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