アカイワ ジュンジ
  赤岩 順二   法学部 法律学科   准教授
■ 標題
  強要緊急避難と免責-アリストテレスにおけるアナンケー概念を参照した予備的考察-
■ 概要
  他人の強制による行為の刑法的評価をどう考えるべきか。日本での裁判例(東京地裁平成8(1996)年6月26日判決(判時1578・39))で焦点があたっている問題である。この問題は、「強要緊急避難」という概念のもとで緊急避難論のなかでも議論されている。現行日本刑法は、旧刑法と異なり、強制による犯罪不成立を直接記述する規定をもたない。それゆえ、基礎的な研究が求められている。そこで、本論文は、19世紀半ばから20世紀初頭に活躍した刑法学者レーニンクの著書『アリストテレス帰属論』を参照し、彼が当時の心理学の展開のもとで混迷していた刑事責任論を再構成するために古代ギリシアの哲学者アリストテレスに学んだ内容をもとに検討したい。
  単著   法学論集   明治大学大学院法学研究科   (35),1-17頁   2011/02


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