アカイワ ジュンジ
  赤岩 順二   法学部 法律学科   准教授
■ 標題
  プラトン『法律』篇845b-860eの一解釈-刑事立法・司法とソクラテスのパラドクス-
■ 概要
  本稿では、プラトン『法律』篇842b-860e(農業法から刑事立法の必要性についてのアテナイからの客人による自問自答まで)の解釈を試みる。三つに分けて論じる。農業法は第九巻以降の刑事立法と対比するための基底性をもつ(Ⅰ)。第九巻冒頭から857b(クレイニアスの疑念)までの「失敗」は、農業法のみで充分な社会から離陸させた状況下での刑事立法・司法における逸脱可能性を示す(Ⅱ)。「どんな点に関してであれ、悪しき人たちはすべて、不本意ながら悪しき者になっている」というソクラテスのパラドクスには刑事立法・司法自体も含まれる(Ⅲ)。もしこれが正しいとすると、ソクラテスのパラドクスには、一定の状況のもとで、刑事立法・司法の逸脱を防ぐ役割も与えられていることになる。
  単著   法哲学年報(2006)   日本法哲学会   219-228頁   2007/10


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