アカイワ ジュンジ
  赤岩 順二   法学部 法律学科   准教授
■ 標題
  緊急避難論における木村亀二説の意義(1)
■ 概要
  緊急避難行為を、違法阻却(正当化)と責任阻却(免責)とに質的に二分する木村亀二説は、その根拠として「人格はいかなる意味においても手段とすることを許さず常に自己目的とせねばならぬという」「法の本質的立場」を掲げ、それと違法阻却の一般原理である目的説とを接合する可能性を披いていた(『刑法総論』・『犯罪論の新構造』) (Ⅰ)。木村亀二の最初の公刊論文は新ヘーゲル法哲学の研究であり、その後の刑法学研究においてもドイツ刑法学の最新の状況を確認しつつ所説を展開してきた。そこで、ドイツにおける近時の緊急避難論のなかでヘーゲル緊急権論を再解釈しつつ論じるパブリークのアプローチを参照軸とし(Ⅱ)、さらに免責概念のあらたな深化をめざすキントホイザーとフリスターの所説とも比較し(Ⅲ)、木村亀二の所説の意義を検討する(Ⅳ)。
  単著   明治大学大学院法学研究論集   明治大学大学院法学研究科   (27),-19頁   2007/09


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