ヤマグチ ミドリ
  山口 みどり   社会学部 社会学科   教授
■ 標題
  アラクニーの娘たち――『マンスリー・パケット』誌の参政権論争にみる参政権意識の「大衆化」
■ 概要
  「大衆化」についての特集への寄稿。イギリスにおける組織的女性参政権運動の「どん底」期といわれる1891年、女性参政権の是非を問うある誌上討論が編者たちを嘆かせた。女性参政権「反対」論者の精神的支柱シャーロット・ヤングが創刊した保守的な女性誌『マンスリー・パケット』で展開された論争でありながら、投稿者の過半数は女性参政権に賛成の議論を展開していたからである。ここからは、女性参政権運動の主流派とは別の土壌でも女性参政権を求める意識が育っていたことが窺える。本論は人気小説家ヤングと彼女が主催したエッセイ・クラブを中心とした女性のネットワークに目を向け、参政権をめぐる議論が保守的な女性たちにどう受け入れられ、普及していったのかを考察した。
  山口みどり
  単著   史潮   歴史学会   (新91),45-65頁   2022/06


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