ナイトウ ジロウ
  内藤 二郎   経済学部 社会経済学科   教授
■ 標題
  「改革・開放20年の中国における政策変容とその意義-「広東モデルの検証-」
■ 概要
  改革・開放政策により大きな経済発展を遂げた中国経済のモデル地域ともいえるのが広東省であった。しかしアジア金融・通貨危機を契機にその成長に陰りが見えてきた。それは広がる不正・腐敗の一掃とともに、地方主義を抑制するための中央による地方への介入という形になって現れている。中央の政策に対し、地方は自らの利益確保のために独自路線を開拓して双方の鬩ぎあいが続いてきたが、中国の現体制では最終的には中央による統制が機能していることが分かった。これは地方の立場からすれば極めて制度が不安定であることを意味し、同時に対中投資企業にとってもリスクとなる。今後は、「中央と地方の関係」及び「国内問題と国外問題のバランス」という二つの軸の舵取りをいかに行っていくかが政府に問われており、同時に日本政府、日系企業としても注視していく必要がある重要な問題である。
  単著   『外務省調査月報』1999年度No.4 外務省国際情報局調査室      2000/03


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