ナイトウ ジロウ
  内藤 二郎   経済学部 社会経済学科   教授
■ 標題
  「中国の体制改革における財政分権化の特徴」
■ 概要
  改革・開放以降の中国の国家体制は、共産党の一党支配ではあるが権限が相当に地方に委譲された分権型になってきているとの議論がある。しかし実際には立法権徴税権をはじめとする多くの権利、権限は未だ地方政府には与えられておらず、分権化と呼ぶに相応しい体制ではない。その一方で、実態は地方政府が独自のやり方で地域経済の活性化を試み、成果の上がっているものを中央政府がいわば黙認している状況によって権限の分散化傾向が広がっている。しかもその権限の多くは省級政府に集中しており、いわば「地方集権化」が進んでいると見ることができる。真の意味での分権化を進めるには、権限と責任の明確な委譲が不可欠であり、そのためは中央・地方それぞれの役割分担を明確に行うことから始めなければならない。
  単著   『国際公共経済研究』(国際公共経済学会)第13号(査読付)      2002/10


Copyright(C) 2011 Daito Bunka University, All rights reserved.