シズカ テツヒト
  靜 哲人   外国語学部 英語学科   教授
■ 標題
  VELC Test (R) Onlineは90問版と120問版のどちらを選ぶべきか 〜プラス15分/30項目がプレイスメントに与える影響〜
■ 概要
  大学生のための英語力熟達度テストであるVELC Test® Onlineの120問版と90問の短縮版を比較し、実際のプレイスメントにどの程度の違いが生じるか、また実際に運用されている90問版からさらに項目数を減じて超短縮版を作った場合、信頼性の点でどの程度の項目数までが許容できるかを検証した。分析対象は、A大学で120問版を受験した2,241名の実際の応答データと、そこから模擬的に作り出した短縮版および超短縮版の応答データである。まず90問の短縮版は信頼性係数が.854と高く、120問版との相関係数が .983と高かった。またレベル分けでは約87%の学生が120問版と同一レベルに割り振られた。次に84問から6問ずつ項目数を減じていったところ、60問版で信頼性係数が .80ほどとなり、120問版との同一レベルに割り振られる学生の率が約76%となったため、60問版を超短縮版の許容できる項目数の下限と解釈した。以上の結果から、運用開始されている90問版は大学内でのレベル分けという主要な用途に対して十分な信頼性があり、その信頼性は項目数を60問程度に減じるまでは担保されるであろう、という見通しが得られた。
  単著   大東文化大学紀要<社会科学>   (61),173-190頁   2023/02


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