クラナカ シノブ
  藏中 しのぶ   外国語学部 日本語学科   教授
■ 標題
  玄奘三蔵伝と『南天竺婆羅門僧正碑并序』-祇園精舎・長安西明寺・大安寺創建説話の背景-
■ 概要
  本文415頁。平安中期以降、大安寺内部で創作された大安寺創建説話には、西域求法の旅の途上で祇園精舎をおとずれ、帰国後には長安・西明寺の創建にたずさわった玄奘三蔵の事績が反映していること、大安寺の移建にあたった道慈以来、大安寺は玄奘の学統を継ぐことを指摘した。これを踏まえて、大安寺で述作されたわが国最初の高僧伝『南天竺婆羅門僧正碑并序』は、最古にして最も詳細な玄奘三蔵伝『大唐大慈恩寺三蔵法師伝』の「序」の形式をほぼそのままに踏襲していること、「序」自体が『慈恩伝』のダイジェスト的性格をもち、簡潔で要を得た伝記の体裁を備えていることを論証した。 一、祇園精舎・西明寺・大安寺 二、祇園精舎・西明寺と玄奘三蔵 三、玄奘三蔵伝とその受容 四、『慈恩伝』「序」と『南天竺婆羅門僧正碑并序』 五、『慈恩伝』「論」と『南天竺婆羅門僧正碑并序』 六、漢文伝述作の場・大安寺と長安西明寺
  単著   説話と説話論集の会編『説話論集 第五集・仏教と説話』   PP.281-316頁   1996/08


Copyright(C) 2011 Daito Bunka University, All rights reserved.