R.G. スチュワート
  R.G. スチュワート   社会学部 社会学科   教授
■ 標題
  北澤楽天の「漫画」:「旧派」の「旧き江戸趣味」から離れた新しいものを 目指す
■ 概要
  この論文では北沢楽天の「漫画」の概念を通じて従来の日本マンガの発達史(通史)を問題化する。まず、美術史の理論を使って、このような簡単に時代をまたがる歴史が抱える問題点を六つ挙げる。一つの問題は、こうした古代から現代の発展を物語る歴史の多くがヘゲル的な歴史観に頼りすぎ、異なる時代の作品を並べるだけで「進歩」(発展)があるように見せるが、紹介する作品が代表的かどうかを問わない。異なる時代の作品の間の関連性も証明しない。平安時代あるいは江戸時代の作品を現代人日本マンガ文化につながろうとする漫画史にも同じような問題を抱えることを明らかにするために、日本初のキャリア漫画家と呼ばれている北沢楽天の漫画における考えと言葉使いを考察する。彼にとって、漫画が日本の過去からの伝統ではなくて、西洋から来た新しい普遍的な視覚的言語であった。pp.41-48
  ロナルド・スチュワート
  単著   『美術フォーラム21』   醍醐書房   (24),41-48頁   2011/11


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