ユウキ ヨシノブ 湯城 吉信 文学部 歴史文化学科 教授 |
■ 標題 懐徳堂文庫所蔵「象背宴集図」に見える西洋の影 |
■ 概要 大阪大学附属図書館内の懐徳堂文庫に所蔵される伝岩崎象外筆・中井履軒賛「象背宴集図」は、巨象の上にあずまやが設けられそこで人がたたずむ様子を描いた絵である。この絵は、画風を見ても着けられた賛を見ても、いかにも東洋的な絵に見える。だが、履軒の兄竹山が書いた「象背宴集画記」を見ると、彼らが象の背中に櫓を設けて戦争に臨む様子を描いた西洋の画を目にしていたことがわかる。当時の大坂には西洋の文物が多く渡来していた。竹山が書いた「紅夷画帖記」には、豪商山片家が所蔵していた西洋の銅版画をまとめた画帖には象の背中に櫓を載せて戦っている図があったことが見える。これはおそらく象部隊を描いた西洋の銅版画であろう。本稿では、それがどのような版画であったか紹介も行った。同画に登場する望遠鏡についても懐徳堂の学者には言及がある。彼らの西洋に対する関心や接触は思いの外大きい。 湯城 吉信 単著 大東文化大学紀要 人文科学 大東文化大学 (59),165-177頁 2021/02 |
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