オオスギ ユカ
  大杉 由香   スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科   教授
■ 標題
  「近現代日本の連帯と救済の歴史にみる生存と国家・社会ー命と生存の格差が容認される現代社会の形成過程とその構造的問題ー」
■ 概要
  本稿では、連帯を2つに分け、目に見える形での相互扶助・対面でなされる関係を「見える連帯」、自分が負担した税・寄付等で見知らぬ誰かを支えるシステムおよび特に近代以降は国家への強権的統合を意識した行為も含めて「見えない連帯」としたうえで、これらを軸に「官」・「公」・「私」 の関係がどうなっていったのかを考察し、その結果、戦前に救済が如何に社会的に規定されていったのかを考えた。そしてそれが戦後にどう連続・断絶して現在に至ったのかにも注目した次第である。構成は以下の通りである。
問題の所在
1.戦前日本における社会的連帯と救済の様相―「見える連帯」と「見えない連帯」が救済にもたらしたもの―
2.自己責任と共同体的相互扶助のあり様とこれらから漏れた問題―戦前の救済における制限主義の様相―
3.戦後日本の福祉と社会的連帯の様相―成熟社会になっても皆が豊かに暮らせない要因は何処にあるのか―
おわりに―社会的弱者やアウトサイダーに冷たい歴史的心性が続く社会構造を戦前と比較しながら考える―

  単著   部落問題研究   公益社団法人 部落問題研究所   (227),28-56頁   2018/12


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