オオスギ ユカ
  大杉 由香   スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科   教授
■ 標題
  「書評 樋上惠美子『近代大阪の乳児死亡と社会事業』」
■ 概要
  この書評では、同書において(1)地場経済のあり方と乳児死亡の関係がある程度明らかになったこと(2)社会事業の発展が乳児にもたらす好影響が具体的に書かれていた点(3)全国や東京市、名古屋市との比較を踏まえて大阪市の特殊性を明確化したことを高く評価する一方、従来から行われている里子・貰子の制度が乳児死亡のあり方とどう関わっていたかが明確でなかったこと、1938年の母子保護法の施行前と後、戦前と戦後の連続性と断絶性が明らかにされていない問題点も指摘した。しかし「冷たい頭と熱い胸」といった福祉を学ぶにあたっての原点を想起させるこの本は研究書の域を超えた重みがあることも叙述した。
  単著   『歴史と経済』   政治経済学・経済史学会   (236),48-51頁   2017/07


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