オオスギ ユカ
  大杉 由香   スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科   教授
■ 標題
  「戦前日本における災害の実態―全国統計を通して見えてきた生存の問題―」
■ 概要
  かつて日本史における災害史研究で欠落していたのは、全国的視点で災害全体を捉えるといった発想であり、かつ災害状況をある程度長期的に見るという視座であった。そこで本稿は、こうした先行研究の状況を踏まえて、日本において本格的な工業化が進み始め都市化も進展し、農業・農村のあり方が変化した1910年代から30年代前半の災害状況を『日本帝国統計年鑑』『大日本帝国統計年鑑』『大日本帝国内務省統計報告』を使いつつ、統計的視点から分析し、自然災害のみならず人災にも焦点を当てている。なお、論文構成は以下のとおりである。
はじめに―日本史における災害史研究の問題点―
1.防災関係費用の支出状況から見た戦前と戦後
2.戦前の災害統計に表れた被害状況―死者・負傷者の動向から見えてきた問題―
3.罹災救助基金における明細の変化が語るもの
おわりに―過去と現在の間をめぐって―

  単著   東洋研究   大東文化大学東洋研究所   (187),47-68頁   2013/01


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