オオスギ ユカ
  大杉 由香   スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科   教授
■ 標題
  「研究ノート 日本経済史における理論的・思想的支柱の喪失-今何が起きているのか-」
■ 概要
  90年代以降、日本経済史では理論的・思想的支柱でもあったマルクス歴史学・経済学の視角は研究上軽視される傾向がある。本稿では①なぜ日本経済史研究でこうした経済理論・思想が失われつつあるのか②日本経済史において理論・思想が必要な理由について言及した。①については社会主義体制崩壊の他に、西洋経済史と比べ、問題を細分化して高度な実証レベルを打ち出すのに関心が集中しがちなことや現状肯定を前提にした経済史の登場を挙げ、②については理論・思想抜きの個別性の強い研究は思い込みを証拠づけるだけの実証になりかねず、下手をすると理論・思想なき実証は単なる資料の読み下しになり、時の権力にも悪用されかねない点を述べた。
  単著   『武蔵大学論集』第54巻4号、武蔵大学経済学会、p.85-p.98      2007/03


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