オオスギ ユカ
  大杉 由香   スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科   教授
■ 標題
  「住民提案型福祉を目指して-今行政には何が問われているのか-」
■ 概要
  本稿ではまず何故私達が社会福祉を必要とするようになったかを考え、これには高度成長期以降の政治・経済構造の変化が影響していることを明らかにした。また社会福祉という切り口から中央政府と地方公共団体との関係を分析し、住民の声を生かした福祉を実施するには何が必要かを考察した。本稿の目的は、高齢化現象に対する不要な恐怖心を読者から除去すること、更に政府が唱える「参加型福祉社会」論や公的介護保険の問題点を明らかにし、地方分権の重要性を唱えるところにある。ただし本稿では、単に地方分権が必要と唱えるのではなく、それは住民提案型福祉実現の手始めに過ぎず、たとえ分権をしたとしても地方自治を支えるだけの社会経済的条件がなければ、意味のないことを述べた。そしてこうした条件に欠く場合には、行政側が意図的な形で住民の帰属意識を高める活動をする等、本稿ではいくつかの処方を提示している。
  単著   『経済研究』   大東文化大学経済研究所   (第12号),p.45-p.65頁   1999/03


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