マツザキ トモセ
  松﨑 友世   経営学部 経営学科   教授
■ 標題
  集団内地位が集団内変動性、集団間差異化の知覚に与える効果
■ 概要
  本研究では、集団内地位(高地位・低地位)が集団間の差異化に及ぼす影響を認知的プロセス、動機的プロセスから検討することを目的とした。ここでは認知的プロセスとして変動性知覚つまりステレオタイピング、動機的プロセスとして集団間評価での内集団ひいき、また内集団同一化について検討を行った。 本実験では、独立変数として課題における成績により一次元的に地位を振り分け集団内地位を操作した。成績のよい成員を高地位、悪い成員を低地位とした。また松崎(2008)で用いた課題の得点により変動性知覚およびその方向性の測定を行い、ステレオタイピングの指標とした。その結果、高地位群は内集団の平均を外集団よりも高く評価し、また高地位群は、内集団、外集団の変動性知覚をともに低地位群よりも小さく知覚していた。さらに高地位群、低地位群とも内集団、外集団の変動性に関して差がなく、同程度な変動性と知覚していた。これらの結果から高地位群と低地位群では社会的アイデンティティの顕現化の程度が異なる可能性が示唆された。この点を明らかにするためには、集団のアイデンティティと個人のアイデンティティの顕在化の程度をみる必要があると考えられるため、今後さらに検討が必要である。
  単著   日本女子大学人間社会研究科紀要15号      2009/03


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