モリ トシキ
  森 稔樹   法学部 法律学科   教授
■ 標題
  固定資産税等の課税客体の評価の誤りについて国家賠償請求が認められた事例(315~318頁)
■ 概要
  固定資産税等に関して、課税客体(課税物件)の評価の誤りに由来する過大な賦課・徴収がなされることが多く、これについて国家賠償請求がなされることも少なくない。本論文は、そのような事件に関する神戸地方裁判所平成20年7月18日判決(判例集未登載)の解説・評釈を中心とする。 本論文では、上記判決における最大の争点を中心に検討した。その最大の争点とは「固定資産税・都市計画税の賦課徴収処分の違法を理由として、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求をなすことが許されるか」であり、国家賠償法制度と行政行為の公定力との関係という、行政法学において重要な論点の一つに直結する。本論文は、行政行為の公定力と国家賠償法制度とは無関係ではないものの、趣旨・目的を異にしていることから、上記判決におけるように既に不服申立て期間も出訴期間も徒過しているような場合には国家賠償請求を否定する見解が妥当性を欠くことを論じている。
  単著   法学セミナー増刊・速報判例解説Vol.5(速報判例解説編集委員会編)   日本評論社      2009/10


Copyright(C) 2011 Daito Bunka University, All rights reserved.