モリ トシキ
  森 稔樹   法学部 法律学科   教授
■ 標題
  個人住民税の寄附金控除制度-「ふるさと寄附金控除」制度および「ふるさと納税」制度についての若干の検討-(105~111頁)
■ 概要
  2007年5月より検討がなされ、同年末には自由民主党の税制改正大綱において導入が提唱された「ふるさと納税」制度は、その名称にもかかわらず、単なる寄附金控除制度の拡充であるが、それで片付けられない側面を有する。地方税法第34条第1項第5の4号イおよび第314条の2第1項第5の4号イに規定される個人住民税の寄附金控除制度を検討するのが本論文の目的である。「ふるさと寄附金控除」制度は所得控除としての寄附金控除制度であるが、地方税において主張される応益原則からの逸脱であり、適用下限額に関しても応能負担原則に照らして疑問が残る。「ふるさと納税」制度は、地方公共団体への寄付金について税額控除制度とするものであるが、応益原則や負担分任原則から逸脱するのみならず、憲法第92条にいう「地方自治の本旨」の一つである住民自治の原則に反する。以上の問題点を中心に検討を試みたものである。
  単著   税務弘報第56巻第3号(2008年3月号)      2008/03


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