オビ ジュン
  小尾 淳   国際関係学部 国際関係学科   准教授
■ 標題
  南インド古典音楽の楽曲形式「ヴァルナム」に関する一考察
■ 概要
  本稿では南インド古典音楽(カルナータカ音楽)で重要な位置を占める楽曲形式ヴァルナムの歴史を探ると共に、その特性を「バラモン性」という視点から考察する。第一章ではカルナータカ音楽が醸成された歴史的背景を前提知識として共有したあと、ヴァルナムの位置づけについて多角的に論じる。また、その構造を確認したうえで、初期の形式から変化した点を指摘する。第二章では著名なヴァルナムの作曲家を取り上げ、音楽家の系統に位置づける。第三章では科研「独立後のインド音楽世界を文化資源化する知の統合研究」(代表:田中多佳子)で構築したデータベースを用いてヴァルナムのみを抽出し主にその作曲家に焦点を当てて考察を加える。結論として、ヴァルナムはバラモン作曲家がカルナータカ音楽の発展や後進の育成など何らかの共通意識や意図をもって創作された特殊な楽曲形式であることを指摘する。
  単著   大東文化大学紀要(人文科学)   大東文化大学   61   2024/03


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