ヒロエ ノリコ
  廣江 倫子   国際関係学部 国際文化学科   准教授
■ 標題
  「選挙と法解釈-香港行政長官・立法会の普通選挙をめぐって-」
■ 概要
  選挙、とりわけ普通選挙は、香港において極めて限定的にしか実施されていないものの、普通選挙に対する要求は、近年極めて高まってきた。契機は2003年7月の国家安全条例制定に反対する50万人規模のデモである。勢いをつけた民主派は2007年行政長官選挙と2008年立法会議員全員に対する普通選挙の導入が要求した。これに対して中国全国人民代表大会常務委員会(以下、全人代常務委と称する)は、香港特別行政区基本法(香港の憲法に当たる。以下、香港基本法と称する。)への解釈権を行使し、選挙関連条文の解釈という形で、普通選挙の実施を当面の間延期した。基本法は、中国と香港における法律解釈制度が異なることに鑑みて、基本法の解釈に関して独特の規定を置いている。そこで、本稿では、中国と香港の法解釈の制度的差異について紹介し、香港における普通選挙の実施に対する中国全人代の香港基本法解釈の内容を簡単に紹介することを試みた。
  単著   『法と民主主義』   (15),40-45頁   2007/09


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