カミムラ ケイスケ
  上村 圭介   外国語学部 日本語学科   教授
■ 標題
  レジスター別出現頻度に基づく順接接続詞の文体差の評価 ー現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)の用例分析からー
■ 概要
  「だから」「したがって」等の順接接続詞の意味は、これまでフォーマルさや丁寧さといった文体的特徴によって定義されてきた。しかし、文体的特徴が実際の文章でどのように現れるかは明確でない。その結果接続詞の定義は曖昧にならざるをえず、場合によっては誤用を招くものとなっていた。本研究では、定義によって接続詞の違いを示すのではなく、レジスター別の出現頻度に基づく使用パターンを通して、実際の文章において用いるべき接続詞の選択基準を示すことを試みた。現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)から抽出した51,121件の結果・理由の接続詞に対する分析から、これらの接続詞にはそれぞれ出現しやすいレジスターがあること、接続詞の出現パターンから談話計画の有無によりレジスターが分類できることを明らかにした。さらに本研究では、接続詞「よって」の文体に関する従来の定義が使用実態を反映していないことを示し、文体的特徴による定義でなく、レジスターの出現頻度に基づく特徴付けという本研究の手法が有効であることを裏付けた。
  レジスター別出現頻度に基づく順接接続詞の文体差の評価 ー現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)の用例分析からー
  共著   語学教育研究論叢   大東文化大学語学教育研究所   34,273-293頁   2017/02


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