カミムラ ケイスケ
  上村 圭介   外国語学部 日本語学科   教授
■ 標題
  gTLD空間拡張のドメイン名政策上の意味
■ 概要
  本稿は、Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)の「新gTLDプログラム」により新設された新gTLDの不可欠性を定量分析により明らかにし、その結果から各国政府およびICANNにとってのインターネット政策上の含意を導き出すことを目的とする。本稿では、ドメイン名登録数への登録料の影響が、一般の新gTLDおよび地理的名称gTLDの間、一般の新gTLDおよび国際化gTLDの間でそれぞれ異なることから、地理的名称gTLDおよび国際化gTLDは一般の新gTLDに比べいずれも高い不可欠性を有し、ドメイン名利用者がもつ異なるニーズを反映するものであることを示す。これらの結果に基づき本稿では二つの政策的含意を導き出す。第一に、ICANNがこれまで進めてきたトップレベルドメイン名空間の拡張は現実の利用者のニーズを適切に反映したものだと考えられる。第二に、高い不可欠性の程度や利用者ニーズの違いに鑑みれば、ドメイン名利用者のための安定性と信頼性を維持するために地理的名称gTLDを規制の対象とすることには一定の合理性が認められる。
  単著   情報社会学会誌   情報社会学会   11(1)   2016/07


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