ツカモト マサフミ
  塚本 正文   社会学部 社会学科   教授
■ 標題
  スリランカにおける支出税廃止の理由を探る
■ 概要
  支出税とは現行所得税の不具合を改善することに貢献するかもしれないが、とにかく実施が困難な税であるという認識で語られる事が多かった。そこで本論文ではセイロン(スリランカ)での1961年および1977年に支出税廃止の実例をあげて、同国が所得税と組み合わせて部分的に支出税を実施する際にどのような困難が生じ廃止に至ったのかを検証した。とくに、これまでインドの支出税について研究が先行していたが、ケンブリッジ大学・キングスカレッジ図書館に当時の支出税実施に貢献したカルドアの残したファイルが保管されていたのを活用して研究にあたった。貴重資料の中にはカルドアの学者仲間とのやりとり、セイロン(スリランカ)の政治家や官僚との手紙や、当時の社会的状況や税収などが含まれていたため、あらたな支出税実施に関する証拠を提示しながら、スリランカの支出税廃止に至った理由を探ったことで支出税研究をさらに一歩進めることに貢献した。
  単著   大東文化大学紀要   (55),285-293頁   2017/03


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