コイケ タケシ
  小池 剛史   文学部 英米文学科   教授
■ 標題
  'Welsh Ale’に見るアングル人とブリトン人の融合社会-『ピーターバラ修道院長チェオルレッドとウルフレッドの同意書』における用例の検証
■ 概要
  アングロサクソン社会の中でどのようにブリトン人社会が存続したのか?この問題を考察する試論として、古英語のWilisc aloð(Welsh ale)が、「ブリトン人文化に由来するエール」なのか、単にエールの一種なのか、と問題提起し、「ピーターバラ修道院長とウルフレッドの同意書」(852年)の中のWelsh aleの用法を検証した。成立地域がアングル人、ブリトン人二民族が融合したマーシア国で特にブリトン人が存続したとされるThe Fenlandsであること、また中世ウェールズの法律文書や宮廷文学からWelsh aleが古代ウェールズのbragod(エールに蜂蜜を混ぜた飲料)に相当することが伺える(Breeze (2004))ことから、Welsh aleが「ブリトン人のエール」の意味で取ることが可能ではないかと結論した。
  小池剛史
  単著   中世英語英文学研究の多様性とその展望(菊池清明・岡本広毅(編))   春風社   182-198頁   2020/11


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