ヤマネ ユウイチロウ
  山根 雄一郎   法学部 政治学科   教授
■ 標題
  平和の形而上学――『永遠平和のために』の批判哲学的基底(坂部恵・佐藤康邦編『カント哲学のアクチュアリティー――哲学の原点を求めて』所収)
■ 概要
  前世紀末以来、新たな時代の光の下で蘇生した感のあるカントの思考をめぐる学術論集への寄稿。書物全体は、序文・論文8本・座談会(筆者も参加)・あとがき、からなる(A5判、294+xiv頁)。共著者は、両編者と筆者以外に、黒崎政男、松山寿一、渋谷治美、小田部胤久、滝沢正之の5氏。筆者の論文では、カントの『永遠平和のために』とバーゼル和約との関わりを再考することで、①通説的に語られてきた後者の「秘密条項」の影響はさほど決定的とは考え難いこと、②同著作の主張には、(フランス革命よりもむしろ)ポーランド解体という同時代の事件との深い関連を見出し得ること、③『平和論』の論理構成には、権利問題への関心という『純粋理性批判』このかた批判的思考を導いてきた主動機が一貫していること、を論じた。
  単著   ナカニシヤ出版   179-212頁   2008/02


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