チョウ キキン
  趙 葵欣   外国語学部 中国語学科   教授
■ 標題
  《朱子语类》谓词前“在这里/那里”用法考察
■ 概要
  本論は、宋儒の言語録である『朱子語類』における述語前の場所を表す「在ある・いる+這里ここ/那里そこ・あそこ」、および関連する形式の「在VP、正在VP、在里VP」の使用状況と機能を考察する。「在這里VP」は44例(「在這辺VP」の3例を含む)、「在那里VP」は12例(「在那辺VP」の1例を含む)である。実在的な場所を表す用例と場所義弱化した用例はそれぞれ42.9%と44.6%であり、また12.5%の「在這里/那里VP」は動作の進行を表している。「在這里/那里」と共起する述語には状態動詞や心態動詞、心理活動動詞、関係動詞と形容詞が見られる。「在VP」は6例で、比較的典型的な進行表現である。「在里VP」は3例であり、「場所表現→進行を表す」という発展経路が見られる。「正在VP」の3例は全て「正+在+状況(中)」であり、副詞の「正在」はまだ見られない。場所義弱化した「在這里/那里」が文に用いられ、「常態」を「状態化」することによって描写性が現れている。これは有界(bounded)と非有界(unbounded)の対立という認知メカニズムが働いたと思われる。
  単著   中国言語文化学研究   大東文化大学大学院   (13),77-95頁   2024/03


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