チョウ キキン
  趙 葵欣   外国語学部 中国語学科   教授
■ 標題
  教材编写角度再议形容词谓语句之“很”
■ 概要
  本論は日本語を母語とする中国語の学習者への初級テキスト編集の視点から、新たに中国語の形容詞述語文、及びその中にある「很」の程度問題について論じる。形容詞述語文の中にある副詞は定量化マークと見られ、「很」は中間程度を指定し量の定位ができるため、形容詞述語文を一つの単文として成立させている。近世中国語を考察すると、「很」が「哏、狠」の代わりに程度を表す副詞になった時期には、共起していた形容詞は単音節語が多く、さらに「很好、很是」のような慣用語が多く使われており、「很」は実際には高程度を表していなかった。使用頻度が高いほど意味の漂白(semantic bleaching)が生じやすくなるため、現代中国語における「很」の高い使用頻度も「很」の程度を低く抑えている。以上の分析に基づいて、初級中国語テキストに形容詞述語文の「程度等級チェーン」の導入を提案する。
  単著   『大東文化大学紀要』<人文科学>   大東文化大学   (61),123-139頁   2023/02


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