ホテイ マサキ
  布袋 正樹   経済学部 現代経済学科   准教授
■ 標題
  研究開発税額控除は研究開発投資を促進するか?―資本コストと内部資金を通じた効果の検証―
■ 概要
  現在における研究開発税額控除の利用は、資本コストの低下を通じて研究開発投資を促進する一方で、過去における研究開発税額控除の利用は、内部資金の増加による資金制約の緩和を通じて研究開発投資を促進すると考えられる。本稿では、こうした2つチャネルという観点から、日本の研究開発税額控除の効果を分析し、以下のような結果を得た。第1に、当期における研究開発税額控除の利用は、外部資金依存度が低い産業に属する企業においては大きな投資促進効果をもたらすが、外部資金依存度が高い産業に属する企業おいては、外部資金の利用に伴うエージェンシーコストの増加によりその効果が一部相殺されてしまう。第2に、外部資金依存度が高い産業に属する企業において、前期における税額控除の利用は内部資金を有意に増加させず、研究開発投資を促進することにつながっていない。
  細野薫、布袋正樹、宮川大介
  共著   RIETI Discussion Paper Series   (15-J-30)   2015/06


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