ナカムラ セイジ
  中村 清二   文学部 教育学科   准教授
■ 標題
  「形成」としてのシティズンシップ教育
■ 概要
  近年注目されるガート・ビースタの議論を手掛かりに、教科教育領域での市民形成の可能性を位置付けた。ビースタの理論によれば、民主的主体は「異質な言葉」を語る人の場所を民主主義の舞台に設けるべく行動する者である。この主体が現れるプロセス(主体化)を市民学習とする。そのプロセスは、日本の教育課程では、教科外領域あるいは生活指導領域における教育活動が重なる。ただし、市民学習は、いわゆる教科外でのみすすめられるとする理解も適切ではない。ビースタは、シティズンシップ教育を既存の秩序への社会化としてのみ捉えることを批判しているのであって、社会化自体を否定してはいない。その意味で、教科学習における社会化は可能だと考えられているのである。
  単著   『民主主義教育21』   全国民主主義教育教育研究会編集・同時代社発行   9,45-52頁   2015/05


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