カメザワ タカユキ
  亀澤 孝幸   文学部 中国文学科   講師
■ 標題
  〈文〉の起源
■ 概要
  許慎の『説文解字』は〈文〉の原義を線の交錯とするが、本論はそれ以前の『書経』や『詩経』といった古典文献に加え、甲骨文・金文といった文字史料にみえる〈文〉の用例を分析することによって、その起源に迫ろうとした。甲骨文・金文にみえる〈文〉は、ほぼ死せる祖先をたたえる美称としての用例に限定されている。祖先から受け継がれた輝かしい文化を〈文〉と名指すのであり、それゆえ〈文〉は美しいものの謂いともなる。それは、善美の一致という中国の伝統的な美学の祖型を示す。
  亀澤孝幸
  単著   中国美学範疇研究論集   大東文化大学人文科学研究所   (1),71-96頁   2013/03


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