カメザワ タカユキ
  亀澤 孝幸   文学部 中国文学科   講師
■ 標題
  風骨の美学——劉勰と張懐瓘を中心に
■ 概要
  「風骨」とは、中国の古典的芸術論を特徴づける美学概念のひとつである。従来の「風骨」研究は専ら文学論の範囲にとどまっていた。しかし、近代以前の中国の芸術論は、書論や画論など、異なる分野を横断して結びついている。本論は、「風骨」という概念が文学論から書論へと受け継がれたことを、中国において最も体系的な文学論として知られる劉勰の『文心雕龍』と、唐代を代表する書論家である張懐瓘の書論の比較検討によって明らかにした。「風骨」とは、貴族制が崩壊に向かう中、科挙を背景に登場してきた新しい士大夫層の志向を象徴するものである。
  亀澤孝幸
  単著   『中国美学範疇研究論集』   大東文化大学人文科学研究所   (3),35-67頁   2015/03


Copyright(C) 2011 Daito Bunka University, All rights reserved.