ヤマモト ヒロキ
  山本 宏樹   文学部 教育学科   准教授
■ 標題
  エンハンスメント論争のゆくえ(2040年、教育の旅 少し先のリアルな未来を考える 07)
■ 概要
  この連載では、2040年の教育に大きな影響を与えるデジタル・テクノロジーとして、対話型AI、バイオセンシングAI、仮想現実技術の3つを取り上げてきた。そして前回からは、今後本格的に実現するであろうバイオテクノロジーであるエンハンスメント技術に注目している。
 エンハンスメントとは、人間の知能、精神、肉体を強化する技術である。前回は、認知能力や道徳性を向上させる薬物の研究が進展していること、脳に対する磁気刺激によって集中力や共感力、抑うつ症状を改善する治療について、日本でも健康保険の適用が部分的に認められるようになっていること、今後、人々が自身の遺伝情報に基づいて健康管理や人生設計を行う可能性があることなどを紹介した。
 しかしながら、エンハンスメント技術に対しては、強い懸念を抱く読者もいるはずである。倫理学や教育学の分野でもこの技術については様々な論争が起こっている。今回は代表的な争点について紹介しよう。

  単著   月刊 高校教育   学事出版   (2023年10月号)   2023/09


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