サトウ シンタロウ
  佐藤 真太郎   スポーツ・健康科学部 スポーツ科学科   准教授
■ 標題
  大学長距離走者における疾走速度の変化による疾走動作の変容 
〜競技水準の異なる2群間の比較を通して〜(原著論文)
■ 概要
  本研究では,大学長距離選手13名を対象として,2群に分類し,疾走速度を変化させた際の動作の変容を定量的に示すとともに,競技水準による相違を明らかにすることを目的とした。
本研究の結果,以下の点が示された。
1) 最大疾走速度,ピッチ,ストライド長,接地時間には,競技水準による相違は認められなかった。
2)A群の選手は疾走速度が増大しても重心高をほぼ一定に保てていたのに対して,B群では速度増加とともに重心高が低下していた。
3)支持期中の身体重心鉛直変位には,競技水準による相違は認められなかった。
4)接地時の股関節および膝関節の角度について,A群では疾走速度が増大してもほぼ一定に保たれていたのに対して,B群では速度増加にともなって屈曲角度が大きくなった。
5)支持期中の股関節角度変位に関しては,A群,B群ともに疾走速度の増大にともなって角度変位が大きくなったが,いずれの速度でもA群の角度変位はB群と比べて小さい傾向にあり,低速時と高速時において有意差がみられた。
 以上より,競技水準に高い長距離選手は,高い疾走速度が求められた際でも身体重心を高く保ちながら走行する技能に優れており,こうした競技水準による身体重心高の相違には,股関節および膝関節の屈曲動作が影響していることが示唆された。
(原著論文)

  ◎只隈 伸也,佐藤 真太郎,川本 竜史,稲垣 裕太, 琉子 友男.
  共著   陸上競技研究   日本学生陸上競技連合   3(103),12-20頁   2016/01


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