オノダ リョウイチ
  小野田 竜一   社会学部 社会学科   講師
■ 標題
  高齢者における主観的ウェルビーイングに関わる要因の関連性の検討~東京都板橋区の調査事例に関して~
■ 概要
  近年、高齢者の主観的ウェルビーイングが注目を浴びている。渡邉・山崎(2004)は、海外で行われた研究を中心に28報の先行研究の結果をまとめ、主観的ウェルビーイングの関連要因をパス図として図解している。しかし、渡邉・山崎(2004)は、海外の研究の結果をまとめているため、日本の高齢者における主観的ウェルビーイングを理解するにあたって、日本の高齢者に関する実証的な研究が必要である。
本研究では、日本における高齢者の主観的ウェルビーイングに関わる要因間の関連性を理解するため、東京都板橋区に在住している高齢者のデータを使用し、渡邉・山崎(2004)の結果を検討した。その結果、パス図のすべての要因が有意に影響を与えているわけではないことが示された。しかし、特に、年収が主観的健康感をあげ、それが対人関係の多さに影響を与え、アクティビティへの影響に繋がるという理論的関連性が確認できた。日本の高齢者の主観的ウェルビーイングを向上させる機序に関する理解が進んだと考えられる。

  小野田竜一
  単著   地域デザインフォーラム・ブックレット   大東文化大学・板橋区 地域デザインフォーラム   28,52-66頁   2022/03


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