クズメ トモヒデ
  葛目 知秀   経済学部 社会経済学科   教授
■ 標題
  アジア諸国通貨の対米ドル実質為替レートの時系列特性-単位根検定による基礎分析-
■ 概要
  本論文では1変量単位根検定(ADF テスト、DF-GLS テスト、PP テスト)とパネル単 位根検定(LLC テスト、IPS テスト、Fisher-type ADF テスト、Fisher-type PP テスト) を応用し、1973 年2月から 2008 年 12 月までのアジア 7 カ国(インドネシア、日本、韓 国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の通貨の対米ドル実質為替レートの特 性を明らかにした。 1変量単位根検定とパネル単位根検定の結果からともに、分析期間全体とアジア通貨危 機前においてはすべての通貨の対米ドル実質為替レートが I(1)を示しているため、相対 的にPPP が成立していると考えられる。しかしながら、アジア通貨危機後においてはサン プル数が少なく、各テストの検出力の問題も指摘されていることから、分析結果は混在し ており、相対的 PPP の成立の可否については判断することが困難となっている。 以上、結論として整理すると、比較的長い分析期間をとった場合に相対的 PPP 成立して いることが指摘できる。
  単著   埼玉学園大学紀要(経営学部篇)   埼玉学園大学   (9),151-163頁   2009/12


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