クズメ トモヒデ
  葛目 知秀   経済学部 社会経済学科   教授
■ 標題
  通貨代替下における最適インフレ税率の研究動向
■ 概要
  本論文では、通貨代替が起きている状況における、シニョレッジを大にするための適インフレ税率の条件を中心に、近年の研究動向を概観した。前半ではまず、シニョレッジとインフレ税を定義した上で、基礎的なデータ分析をもとに、各国のシニョレッジの現状を観察した。次に、通貨代替が起きていない通常の経済を想定して、インフレ率とシニョレッジの関係を示すインフレ税ラッファー曲線を導出し、一定の政府収入をシニョレッジによって得る場合には「低インフレ率均衡」と「高インフレ率均衡」の複数均衡が存在することを示し、またそれぞれの貨幣成長率の意義を検討した。後半では、通貨代替下でのシニョレッジおよび適インフレ率に関する先行研究を精査した後、通貨代替下でのインフレ税ラッファー曲線を導出し、その政策的なインプリケーションについて考察した。
  単著   川口短大紀要   川口短期大学   (20),37-66頁   2006/12


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