グンジ ヒロシ
  郡司 大志   経済学部 現代経済学科   教授
■ 標題
  日本の銀行における流動性創出指標
■ 概要
  本稿では、Berger and Bouwman(2009)が提案した流動性創出指標(LCM)に ついて、日本の銀行に対して求める際の適切な方法を検討し、実際に計算する。金 額ベースの LCM、ならびに総資産額で基準化した LCM 比率を求めた結果、(1) LCM は 1949 年から 2019 年まで基本的に増加基調にあること、(2)LCM 比率の 変化には 1990 年代半ばまでは資産項目の変化が大きく寄与していたが、それ以降 は資産項目と同等かそれ以上に負債項目の寄与が増加していること、(3)業態別の LCM 比率は 2000 年以降において、地方銀行と第二地方銀行が増加傾向にある一方、 都市銀行では減少傾向にあることが分かった。最後に、本稿では現代日本の金融シ ステムにおいて LCM を計測することの意義と限界について議論する。
  郡司大志・小野有人・鎮目雅人・内田浩史・安田行宏
  共著   日本経済研究   82,49-77頁   2024/07


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